血液細胞観察

血液細胞観察とは・・・

血液細胞分析(LBA)はアメリカで生まれたもので、患者さんの指先から一滴の血液を採取し、それを位相差顕微鏡で1000倍に拡大し、PCモニターに映しだすものです。とくに赤血球の状態を観察し、患者さんの現在の食生活が正しいか否か、あるいはその病気が回復してきているか否かを判定することができます。また、健康者に対して行っても、健康状態と栄養状態を知り、病気の予防や健康管理をするための指標とすることもできます。LBAでは、血液の血球成分(赤血球、白血球、血小板)と血漿(けっしょう)を観察することができ、それらの異常所見から、血液状態を把握します。

病気の発症は、その病気に向かって体が時間をかけて変化した結果といえます。したがって、この準備の期間、体内ではその病気にまつわる何らかの変化が起こっているはずです。その微妙な変化をいち早く捕えて対策を講じることができれば、病気を未然に防ぐことが可能になるはずです。 それができるのが、当サイトが提案する血液細胞観察と栄養療法です。





それでは、実際の血液細観察の手順について説明いたします。

血液細胞分析の流れ
1、採血(自己採血で行っていただきます。)
  指先から一滴血液を採取していただきます。
  血液をスライドガラスに取り、その上にカバーグラスを載せます。
        

2、顕微鏡検査
  スライドガラスを顕微鏡にセットし、1000倍の倍率で血液を観察します。
  
        

3、モニター映像
  PC画面に大きく映し出されます。
  ビデオキャプチャーで映像・画像をPCに取り込みます。
        

4、画像印刷
  PCに取り込んだ血液画像を画像ソフトで印刷し、写真にしてお渡しします。

システム全景

写真 写真は、私が現在使っている位相差顕微鏡です。もう10年以上使っていますが、これで十分間に合っています。あえて高価な顕微鏡を購入する必要はないと思います。あと付属品として、画像をPCに取り込むビデオキャプチャー(I-O DATA)を使っています。一緒に添付されている画像ソフトのLight Capturerが動画と静止画を同時に取り込むことができ非常に便利です。

必要な機器・備品

■位相差顕微鏡 (比較的安価な顕微鏡です。これらの機種で十分活用できます。)
 P-Scope  BX-2700TPH MODEL PerioCam-J 
 製品詳細  製品詳細 製品詳細 
 ・中古品も販売しています。  ・CCDカメラは別売りです。  ・使いやすいです。
 ・この他にもネットで検索すると選べます。詳細は、各メーカーへお問い合わせください。
購入に際してのトラブルについては、当方では一切責任は持てません。必ず各メーカーに
 お問い合わせの上、各人の責任で購入するようお願い致します。


■USB接続ビデオキャプチャー
 画像をPCに取り込むのに使います。ちなみに私は、I-O DATAのビデオキャプチャーを使
 っています。ご自分で使いやすいものをお買い求めください。
 ・I-O DATA(GV-USB2/HQ)
 ・BUFFLO(PC-SDVD/UG2) など販売されいます。
  

■スライドガラス、カバーグラス
 顕微鏡購入時、付属品としてついてくることがあります。足りなくなったらネットで買う
 ことができます。

■採血器具(ランセット)
 ランセットもいろんなメーカーより販売されたいます。ご自分の気に入ったものをお買い
 求めください。

血液画像(正常・異常)

 ●正常血液画像

 正常赤血球:
赤血球は直径7〜8μmでほぼ均一な大きさである。形態的には中央が凹型で明るい。
 網赤血球:
赤血球内のリボゾームRNAがミトコンドリアなどを巻き込んで凝集し、濃青色の顆粒または網状に染色される。
 血小板:
血小板は核を持たず、円形ないし類円形の細胞である。この画像では血小板の固まり(凝集)が見られる。
 リンパ球:
赤血球よりわずかに大きい程度(およそ10μm)の円形細胞である。大小不同が見られる。
 好中球:
大きさは赤血球の2倍程度(約15μm)で細胞質には微細な顆粒が見られる。
 好酸球:
一般に好酸球は好中球に比較してわずかに大きな細胞である。特徴は細胞質に好酸性の大きくてはっきりした顆粒が見られる。
 好塩基球:
大きさは好中球よりわずかに小さい細胞である。特徴は細胞質に見られる暗紫色に異染性を呈する顆粒が見られる。
 単球:
健常人の末梢血で最も大きい細胞で、およそ20μmである。核の形状は馬蹄型で、細胞質は豊富で弱い好塩基性を示す。

 ●異常血液画像

 有棘赤血球:
一定の長さの突起を多数もつ赤血球、白血病、摘脾後、アルコール性肝硬変、脂質代謝異常などで見られる。
 赤血球の連銭形成:
硬貨を重ねてそれをずらしたような赤血球が連なって見える状態。高ガンマグロブリン血症、タンパク質・脂質分解酵素不足、骨髄腫などで見られる。
 赤血球凝集:
不規則な赤血球凝集塊が見られる。自己免疫性溶血性貧血、タンパク質・脂質分解酵素不足、寒冷凝集素症などで見られる。
 涙滴状赤血球:
涙滴状の形態を示す赤血球、骨髄線維症でしばしば出現するが、サラセミア、ガンの骨髄転移などでも見られる。
 大小不同:
赤血球の大きさのバラつきが著しく大きい場合で、大赤血球または小赤血球が混在する。種々の貧血症で見られる。
 低色素性小球性赤血球:
ヘモグロビン合成の低下時、すなわち鉄欠乏性貧血やサラセミア症などで見られる。ヘモグロビン量が少ないため中心部の面積が広く見える。
 球状赤血球:
正常赤血球よりも直径はやや小さく、中央の淡く染まる部分がないため全体が濃く見える。遺伝性球状赤血球、自己免疫性溶血性貧血などで出現し、大小不動を伴う。
 楕円赤血球:
楕円形の赤血球で、遺伝性楕円赤血球、鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血などで見られる。
 口唇状赤血球:
赤血球の中央の淡く染まる部分が細長くなり、口唇状に見える赤血球のことで、遺伝性溶血性貧血などで見られる。
 鎌状赤血球:
ヘモグロビンS症でみられ、低酸素状態でヘモグロビンSの重合結晶化が起こり、鎌の刃状の赤血球が見られる。
 標的赤血球:
中心部と辺縁部が濃く。その中間が淡く染まり、標的状に見える低色素性赤血球。サラセミア、鉄欠乏性貧血、閉塞性黄疸、異常ヘモグロビン症などで見られる。
 分裂赤血球:
機械的に壊れて生じた断片状の赤血球。心臓の弁膜症、細小血管障害性溶血性貧血、血栓性血小板減少性紫斑病などで見られる。
これらの画像は文光堂、久保田共著:『血液細胞ノート −形態速習アトラス−』第1版 2010年、より引用しました。
   
 血液細胞分析  衝撃的血液像

その他(参考書籍)

血液形態観察の入門書、安価で購入しやすいです。 国内外で愛読されている血液細胞形態学を学ぶための教科書です。
血球の形態異常とその診断・病態的意義について実例を多く解説しています。 血液細胞分析の入門書的存在、今は絶版ですが、オークション等で買えるようです。
私が初めて血液細胞分析を知った本です。鶴見先生は、「鶴見クリニック」で実際にLBAを臨床に取り入れて診療されています 小沢博樹先生もこの著書の中でLBAを紹介しています。


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